桐朋学園女子高等学校音楽科を卒業、同大学にて神谷郁代、岡本美智子、池田素子に学ぶ。その後フランスの巨匠・名教授として高名なドミニック・メルレに見出されて、ジュネーブ音楽院大学院にて師の薫陶をうける。2002年に同音楽院の演奏家過程を満場一致の一等賞で卒業後、スペインを代表するピアニストのホアキン・ソリアノに招かれ拠点をマドリッドへ移し世界各国で活発な演奏活動を開始。日本でのコンサートツアーの他、世界の音楽祭や演奏会シリーズにも定期的に招待されている:ジュネーブ芸術協会の定期演奏会(スイス)、 フランスショパン協会主催パリ・ショパン・フェスティバル、京都千夜一夜音楽祭、ヴィチェンツァ春の音楽祭(イタリア)、 ロス・クラシコス・デ・ベラノ・エン・マドリッド(スペイン)、トーレシユダ音楽祭(スペイン)、 エンクエントロス・ファリャ音楽祭(グラナダ スペイン)、ウベダ国際音楽舞踊フェスティバル(スペイン) ハエン音楽祭、その他多数。2008年、京都清水寺でクラシック音楽の演奏会としては開帳後初めての奉納コンサートを開催、改装されたスペイン・グラナダのマヌエルデファリャ記念ホールのこけら落としのリサイタルを行う等 さまざまなシーンにおいてソリストとして活躍している。2010年6月に行ったローマでの演奏会はRAI(イタリア国営放送TV)とCANAL10に録画、繰り返し放映されるなど世界各国での 活発な活動を評価され、2010年インターネット音楽祭国際親善賞を受賞した。

室内楽ではこれまで名門、スイスロマンドオーケストラのトッププレーヤーで 編成されたスイスロマンド・木管クインテットとの日本ツアー、アッサイ弦楽四重奏団、トランペット奏者のG・アルメイダとのデュオや、 ヤマハ・アーティストとして、サックス奏者の須川展也と行ったヨーロッパの主要都市(パリ、ロンドン、マドリッド、ミラノ、ベルリン、ケルンその他)でのコンサートツアーは大好評を博した(2009)。時代楽器を使ったルネッサンス、バロック音楽の演奏にも興味を示しており、バロックフルート奏者のマリアノ・マルティンと共に グループ・エクストラヴァガンツァのコンサートプロジェクトにはチェンバロを用いてコラボレートしている。

CD「マヌエル デ ファリャ ピアノ作品全集」(2010 verso)をスペインでリリース、スペインが世界に誇る偉大な作曲家ファリャの数少ない、 そして初めての本格的なピアノ曲全集CDを造る歴史的プロジェクトとして、ファリャの遺族、スペイン精鋭の音楽学者らの積極的な応援のもと、異例の日本人のピアニストとして起用され、 また西澤のスペインでの幅広いユニークな活動が評価されHEINEKEN初のクラシック音楽へのスポンサーシップを得るなど二重の快挙となった。日本ではレコード芸術準特選に選ばれるなど、 スペインのみならず各国で販売、好評を得ている。 2012年5月、CD「ファリャ:ピアノ編曲全集」を、スペインのウベダ市国際舞踊音楽祭の開幕コンサートにて発表、演奏を行い高い評価を得た。 レコード史上世界初のファリャピアノ作品全集という面においても、新たなファリャ作品の資料として注目を浴びレコード芸術誌特選盤に選ばれた。

2014年11月、CD「アルベニス:組曲イベリア全集」発表。セビーリャの由緒あるカルアへ美術館で行われたリリース記念コンサートは満場のスタンディングオベーションで熱狂に包まれた。(スペイン先行発売中)。

2003年、映画「福耳」(宮藤官九郎、田中邦衛主演)出演、演奏。2004年、上海師範大学非常勤教授。2006年よりヤマハ・スペイン・ポルトガル専属アーティストとして 各地でコンサート、マスタークラスを行っている。

西澤安澄のファリャを聴いて  濱田滋郎(音楽評論家)
西澤安澄の「マヌエル・デ・ファリャ ピアノ作品全集」は、一聴して「心から推せる一枚」と思った、近来まれなほど美しいCDのひとつである・・・・演奏芸術家としての 高い資質が、光のしずくのようにきらめいているのに目を見張らされた。ただ正確に弾き上げるのではなく深く心を通わせ、秘められた美まで汲み出してみせる手際は非凡そのもの。 ほかのレパートリーもぜひ聴いてみたいと思わせる新星の登場である。